屋根裏(隔離生活)通信

ロックダウンの解除間もない、寝ぼけまなこのフランス・パリから。

Covid-19 自宅療養ガイド【フランス公衆衛生機関より】

 日本の新型コロナウイルスに関する報道によれば、医療施設の病床や人手の不足にともない、これから多くの方が自宅療養を余儀なくされるようです。何かの役に立てばと思い、フランスの国立公衆衛生機関が公開した自宅療養者向けの生活マニュアルを翻訳してみました。ぼく自身が療養中に参考にしていたものです。
 大まかな内容は日本の国立感染症研究所による同様の文書と変わりありませんが、ふたつを見比べることで補足できる情報も多くあるかと思います。フランス版の「キスをしないこと」や日本版の「入浴は最後に行うこと」のような、文化の違いが垣間見える記述もあって面白いものです。
 なお、はじめの項に医薬品に関する言及があり、ここでは原文をそのまま翻訳しましたが、国によって見解や推奨される用量に違いがあるようです。かならず専門家の指示を仰ぐようにしてください。


(以下翻訳)

  「コロナウイルスに感染してしまい、治るまで家にいなければなりません」

多くの場合、数日間の休養ののち容体は自然回復します。必要な場合は熱を下げるための投薬も行われます。

完治するまでのあいだ、自分自身や近しい人のためにどんな対策がとれるでしょうか?


1.健康状態をチェックしましょう。

  • 一日に2度の検温を行います。
  • 熱を下げるためにパラセタモール(アセトアミノフェン)を服用できますが、用量は1グラム以内を3回まで(一日合計3グラムまで)とします。※日本では解熱目的での服用は一日1500mgが限度とされているようです。
  • 医師の指示なしに、イブプロフェンなどの解熱剤は服用できません
  • 治療中の疾患がある場合、それを中断する必要はありません。服用中の薬について疑問がある場合はかかりつけ医に相談します。
  • 医師や薬剤師への相談なしに、ほかの薬や治療法を試しません
  • 身近な人とこまめに連絡を取り合います。
  • 病状の悪化を感じた場合は、かかりつけ医に電話相談をします呼吸困難があるときは即座に救急救命に電話します

 

2.自宅では、まわりの人の安全を守りましょう。

  • 同居人との接触を極力避けます。手を触れたりキスをしてはいけません。
  • 最低1メートルの間隔を維持し、会話などのやりとりは15分以内に収めます。
  • 医療従事者やヘルパーを除き、外部の人を家のなかに入れません
  • 可能ならば独立した部屋のなかでドアを閉めて過ごし、睡眠や食事もそのなかでひとりで摂ります。
  • こまめに石鹸で手を洗い、そのあとよく拭いて乾かします。
  • 顔や目、鼻、口を触りません
  • 咳をしたり鼻をかむときはティッシュを使用し、そのあとすぐに捨てます
  • タオル、スポンジ、石鹸、食器、電話など、日用品を同居人と共用しません

 

3.家のなかを清潔に保ちましょう。

  • 一日のうち数回窓を開け、10分間以上の換気を頻繁に行います
  • ドアノブ、水まわりの家具、トイレ、床など、触った場所を清掃・殺菌します。ふだん使用している製品で掃除をしたのち、次亜塩素酸ナトリウム液で殺菌し、水で洗い流してください。
  • 食器は同居人のものと別にして食器洗剤で洗い、よく乾燥させます。または60度以上の湯で食器洗浄機にかけます。
  • シーツやタオルなどは60度以上の湯で30分以上洗濯します。洗濯機に入れる際は振ったり広げたりしません。
  • 掃除をするときはスポンジや雑巾など、ほこりを巻き上げない道具を使います。掃除機は使用しません。
  • 掃除のあとは手を洗い、よく乾かします

 

4.汚染されたごみを分けて捨てましょう。

  • 30リットル以下のサイズの家庭用ごみ袋を専用のものとして使用します。不透明で、口を紐で締められるものが適しています。
  • そのごみ袋を自分の室内に保管します
  • なかには使用済みマスクやティッシュ、ウェットティッシュなど清掃用品のごみだけを入れ、その他の家庭ごみとは混ぜません。
  • 袋がいっぱいになりそうになったら口を結び、二枚目の袋のなかに入れて再び口を結びます。(つまり袋を二重にするということ)
  • 24時間放置します。その後、他のごみと一緒に廃棄します。(ガラス瓶や包装紙などの資源ごみは別に扱ってください)
  • 呼吸器症状が治まるまでこの手順を守ります


5.日々の暮らしを維持するために

  • ひとり暮らしの場合、生活必需品や薬品の買い物は家族や友人に代わってもらうか、配送サービスを利用します。接触を最小限にするため、品物は玄関の外に置いていってもらいます。
  • 介助者は手をこまめに洗ってください

(翻訳は以上です。予防を忘れず、健康な日々をお過ごしください!)

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こちらがオリジナル。

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こちらは国立感染症研究所のもの。